μ-Fluo100/100(NAT)による測定例

ヒューマン・パピローマウィルス(HPV)のマイクロPCRによる検出

子宮頚部癌の原因として知られるHPVには,多種類の高リスク型ウィルスが存在します。
これらを短時間に判定することを目的に,
ガラスキャピラリーを使ったマイクロPCRによる検出実験を行いました。
通常PCRでは,反応後の電気泳動により目的遺伝子の増幅バンドが確認されます。
これに対し,マイクロPCRでは,増幅バンドの量に比例して増大する蛍光が観察されました。

PCR増幅断片とキャピラリーPCR蛍光検出


増幅断片の生成量に比例した発蛍光

反応スケール 100nL    
反応時間 15分
 
鋳型DNA HPVテンプレート    
プライマー HPV33選択的プライマー    

この蛍光強度をμ-Fluo100/100(NAT)により観測したところ,
両条件での検出感度が一致していることが確認されました。

キャピラリーPCRの感度確認

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PCR条件

95℃ 10秒    
95℃ 5秒 (2 cycles )
 
50℃ 10秒 (2 cycles )    
4℃ 5分    

チューブ

PCRチューブ内で反応後,電気泳動により増幅断片を確認。
比較のために反応液をキャピラリーに導入し蛍光強度を測定。

キャピラリー

選択的プライマーをあらかじめ貼り付けたキャピラリー内に反応液を導入しPCRを開始。
反応終了後に蛍光強度を測定。

以上のように,キャピラリーPCRでは反応が短時間で終了するにもかかわらず,
簡便に従来と同等の検出感度を達成することから,
μ-Fluo100/100(NAT)およびPCRキャピラリーを集積化したチップ型専用デバイスは
オン・サイト検査に有用なシステムです。